【傍聴記録】少年17歳

少年が連続放火に関与認める供述 京都 12月1日 10時35分 ことし８月、京都市で住宅など４件の火事が相次ぎ、６０代の夫婦が死亡した連続放火事件で、別の窃盗事件で逮捕された１７歳の少年が放火への関与を認める供述をしていることが捜査関係者への取材で分かりました。警察は少年が一連の放火に関わった疑いがあるとみて捜査しています。 ことし８月１日の早朝、京都市伏見区で住宅や倉庫などが焼ける４件の火事が相次ぎ、６０代の自治会長の

夫婦が死亡しました。

警察は連続放火事件として捜査しています。この事件とは別に、京都市内の住宅に空き巣に入り、現金を盗んだとして先月逮捕された１７歳の少年が、調べに対し、「ことしに入ってから伏見区内で複数回放火した。遊びで火を付けた」などと放火への関与を認める供述をしていることが、捜査関係者への取材で分かりました。

警察が、放火事件の現場近くの複数の防犯カメラの映像を確認したところ、同じ時間帯に、この少年とよく似た人物が自転車で走り去る様子が映っていたということです。警察は、少年が一連の放火に関わった疑いがあるとみて、捜査しています。

NHK京都
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141201/k10013615461000.html

【傍聴記録】
法廷：京都地方裁判所 刑事 第101号大法廷（1階）
公判日時：平成27年11月09日（月）午前10時30分～午後04時10分　第一回
               平成27年11月10日（火）午前10時10分～午後05時00分　第二回
               平成27年11月11日（水）午前10時10分～午後05時00分　第三回
               平成27年11月12日（木）午前10時10分～午後05時00分　第四回
               平成27年11月13日（金）午前10時10分～午後05時00分　第五回
               平成27年11月16日（月）午前10時10分～午後05時00分　第六回
               平成27年11月25日（水）午後03時00分～午後05時00分　判決
事件番号：平成27年（わ）第352号
罪名：窃盗、住居侵入、建造物等以外放火、現住建造物等放火、器物損壊、建造物損壊（変更後
　　　  の訴因　窃盗、住居侵入、建造物等以外放火、現住建造物等放火、非現住建物等放火、重
        過失致死、器物損壊、建造物損壊
審理状況：審理（全6回）、判決
担当部係：第2刑事部合議係
裁判長及び裁判官：和田　真（裁判長）、渡邉一昭（右陪審）、秋本円香（左陪審）
裁判員：20代女性、50代女性、50代男性、40代男性、30代女性、30代女性
補充裁判員：50代男性、30代女性
書記官：本田真由美
検察官：50代男性、30代女性
弁護人：50代男性、40代男性
刑務官：男性2名

【公訴事実】
被告人は、平成26年8月1日（水）午前4時48分頃、京都市伏見区向島二ノ丸町330-30北村正則さん、妻・富美子さんの自宅兼事務所のガレージに放火して全焼させ、北村さん夫婦を死亡させた。同日午前4時50分頃、京都市伏見区向島津田町の資材置き場の木材に放火。同日午前4時59分頃、京都市伏見区向島西堤町の無人倉庫に放火。同日午前5時03分頃、京都市伏見区向島津田町　民家のすだれに放火。平成26年5月14日（水）午前0時50分頃、京都市伏見区羽束師の住宅に放火しようとした。平成26年7月29日（月）午前3時45分頃、京都市伏見区横大路中ノ庄町の店舗兼住宅に放火し住宅の一部を燃やした。平成26年9月中旬頃、京都市伏見区において民家に侵入し37万円を窃取した。

罪名及び罰条　窃盗　刑法第235条
                      住居侵入　刑法第130条
                      器物損壊　刑法第261条
                      重過失致死　刑法第211条1項後段
                      建造物損壊　刑法第260条
                      建造物等以外放火　刑法第110条1項
                      現住建造物等放火　刑法第108条
                      非現住建造物等放火　刑法第109条1項

【被告人の身上、経歴】
氏名：少年Ａ
性別：男
生年月日：平成10年1●月2●日（当時17歳）
本籍：京都市伏見区
住所：同上
職業：無職
特徴：身体不明、はっきり受け答えする
犯歴：前科前歴無し

被告人は、京都市伏見区で出生し、中学1年生の時に両親が離婚。父親が引き取り、弟2人の4人で暮らしていた。被告人は、高校二年時に自主退学後、無職となっている。犯行動機は「父から体罰があって、鬱憤晴らしやストレス、遊ぶ金が欲しかった」と述べていた。被害額は、1億4千万円（建物）、126万円（窃盗）。犯行当時は、被告人自ら改造した自転車を使用して1時間の間に4件放火しており、犯行後は祖父母の家に身を隠していた。

午前4時48分頃、新聞紙にライターで点火して北村さんのガレージに投げ捨て逃走後に北村さん夫婦が死亡している（第1事件）。午前4時50分、株式会社壱岐建設（T.O氏代表）の資材置き場のビニール袋に点火（第2事件）。午前4時59分、K.Oさん所有の無人倉庫の布団に点火（第3事件）。午前5時03分、K.Yさん宅　すだれに点火し雨戸損壊した（第4事件）。

この他にも余罪はあった。

平成26年午前3時45分、Y.Sさん宅に放火
平成26年05月14日、京都市伏見区羽束師のT.Nさん宅で洗濯機にライターで放火
平成26年07月02日、伏見区横大路のA.Hさん宅の窓から侵入し現金窃取
平成26年08月17日、Kさん宅の車庫、外壁、チャイルドシートに点火
平成26年09月02日、友人のMと共謀してT.Fさん宅の窓から侵入し1万4,200円窃取
平成26年9月中旬、T.Nさん宅で自動車に放火

以上、立件された放火8件、窃盗3件　

被告人は、公訴事実を認めたうえで、親友の家を避けて放火していることも判明。検察側の証人尋問では、精神鑑定を診断したトヨカワコウジ医師が出廷し「軽い知的障害はあるものの生活する上でも社会上でも問題は無く刑事責任を問える」と述べている。

論告求刑：懲役7年以上13年以下の不定期刑
最終弁論：医療少年院（第3種少年院）での治療と教育が再犯防止の唯一のプロセスと主張
判決：主文　被告人を懲役7年以上12年以下の不定期刑に処する。
        未決勾留日数中180日をその刑に算入する。
控訴期限：平成27年12月09日（水）
控訴日時：平成27年12月10日（木）一審判決が確定